リゾートというとなんだかハイソサイアティな響きがあるが、高原の別荘に滞在してテニス三昧とか、海辺の高級ホテルから豪華ヨットでクルーズとかばかりがリゾートではない。安いB&B(朝食付き民宿)やコテージに泊まって、自然の中でゆったりと好きなことをするのも立派なリゾートだ。
ヨーロッパの人々はみな長期の休暇を取るが、イギリスもその例に漏れず、多くのリゾート地に何週間も滞在し、さまざまな遊びを思いっきり楽しんでいる。
例えば湖水地方、ここを訪れる人の目的はさまざまだ。釣、ヨット、山歩き、スポーツ、ピクニックその他ありとあらゆる事をしている。時間はたっぷり有るからがつがつする必要がない。それぞれのスタイルでそれぞれの好きなことを心行くまで堪能できるとは羨ましい限りだ。
湖水地方といえば、若い女性ならピーターラビット、文学に興味のある人はワーズワースと即座に答えるかも知れない。ここに滞在し、ゆっくり湖畔やフットパス(遊歩道)を散策すれば、それらの世界を満喫できるだろう。そして、もう一人、ここで夏のリゾートライフを極めている人々(子供たち)を見事に描き出した人がいる。
その人はアーサーランサム。彼は『ツバメ号とアマゾン号』をはじめとする少年少女向け冒険小説
ランサム サガシリーズでここを舞台にして本当のリゾートライフを描き出している。
日が登れば起きる。水浴びをし、魚を捕り、食事を作る。ヨットに乗り、山に登る。毎日が冒険だ。我々が子供の頃体験した、いやしたかったことがいっぱいだ。そう、みんなが輝くことが出来る時間がそこに有る。今、私はこの本を読みながらヴァーチャルリゾートを体験中だ。
ナショナルトラスト運動によって見事に守り続けられている自然のなかで、私も仕事にも時間にもしばられずゆっくりここで休暇を過ごしてみたいものだと思う。いつの日にか。
自転車置場
ランサム サガ