おちゃめな人々




イギリス南部は穀倉地帯で、まるで北海道のようなだだっ広い景色いっぱいに麦畑が拡がっている。一時期、ミステリーサークルなるものが盛んに話題に登ったことが有るが、見渡す限り人家もないような所に突然あのようなものが出現すれば誰だって宇宙人の仕業だと考えるのも無理はない。それにしてもいたずらのためにわざわざ早朝起き出して・・・いやはや。

ロンドンの西、ソールズベリー郊外に有名な古代の石の遺跡、ストーンヘンジがあるのもそんな麦畑のど真ん中だ。周囲にはゆるやかな丘が続き、森も林もはるか彼方というロケーションにニョキニョキと大きな石が林立する様はなんだか異次元の世界に迷い込んだような気がする。

stone henge

そんななかで面白いものを見つけた。ストーンヘンジから4、500メートルも離れているのだろうか、同じ様なモニュメントが、しかし何処か変なものが見えた。石のような硬質ではなくもっと柔らかい質感のそれは、良く見るとワラのかたまりを積み重ねたものだった。そう、よく北海道の原野にころがっているあの円筒形や直方体のあれだ。はは、ストーンヘンジならぬストーローヘンジか。ちょうど麦を刈り取った後のワラを使ってすっきりしたフィールドに、ストーンヘンジと対比するように作られたその作品は、しかしながら、大笑いだった。

ミステリーサークルといい、ストローヘンジといい、あのいたずらにかける情熱に感心するやらあきれるやらではあるが、これほど大がかりでなくても様々な、罪がなく心から笑える悪戯をしょっちゅう目にすることが出来る。楽しいったらありゃしない。


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