値段にどっきり


ご存知の通り、イギリスの貨幣はポンドであり、補助貨幣としてペニーが存在する。ポンドに関しては比較的わかりやすくすぐ慣れる。ところがペニーがややこしい。買い物や、食事、タクシーなどのサービスを受けた時税金などの関係もあってどうしても勘定に端数が出来ることが多い。この時小銭入れをのぞいて困ってしまう。

pound日本だと、1、5、10、50、というぐあいに単位が区切られるが、ペンスではさらにその間に2、20が入ってくる。おまけに大きさも不規則で、ごちゃごちゃしていて、鈍い私にはとっさに計算することができない。かといって、紙幣ばかり出せば、財布の中は硬貨だらけでジャラジャラ重くて仕方が無い。

それでも、1ポンドや50ペンスはチップなどで使えるが、小額硬貨はそうはゆかない。ほっておけば山になってしまうのでうんこらいいながら手に出して計算していると、笑いながら店員さんが拾い出してくれることもしょっちゅうだ。

なんで2や20などという半端な単位が入ったのか確かではないが、その昔シリングと言う単位が有って、1ポンドは20シリング、1シリングは12ペンスなどときわめてややこしい組み合わせになっていた。これは諸外国には不評であまりな評判の悪さに、あの保守的なイギリスもさすがに放っておけずシリングを廃止、100ペンスを1ポンドにしてしまった。
そのなごりで今も2ペンスや20ペンスが残っているのではないだろうか。

一番立派な硬貨は50ペンス。お金の価値を知らない小さな子供はどれが欲しいと聞くと、躊躇無く銀色に輝く7角形の大きな50ペンス硬貨を選ぶ。この新品のピカピカのやつを宝物にしている子供も多い。

リバプールの南にビートルズの歌詞にも出てくるマージー川と言う大きな川がある。この川を渡るのに一番近道は川底トンネルだ。このトンネルは通行料のめったにいらないイギリスでも有料になっている。料金所は1ヶ所で、自動徴収機が設置してあるのだが料金表には大きく”100”と書いてある。最初にこれを見るとどきっとする。

100ポンドといえば日本円にして2万円以上もする。ロンドンからエジンバラまで行っても通行料のいらない国がなんでトンネル一つに2万円以上もするんだとよく見ると、隅っこにちいさくpと書いてある。ちぇっ、おどかしやがって。

それにしても1ポンドと表示すればよさそうなものをなんでわざわざ。さっするに、この料金自動徴収機はおおきなラッパ状の投入口に投げ込むようになっている。£1と書いておくと1ペニー放り込むやつが続出するに違いない。(そんなやつはいねえよ!)


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